米雇用統計発表後のドルの動き(2017年3月11日)

2017年3月11日

・2月雇用統計は非農業部門雇用者数が予想の+20.0万人を上回る+23.5万人でしたが平均時給は予想+0.3%から+0.2%で予想を下回る結果となり、2日前のADPが予想を大幅に上回っていたことで今回の雇用統計も良いという憶測から3月利上げを織り込む形で数日前からドルは買われていました。
 雇用統計発表後は材料出尽くしの動きとなり、更に追い打ちをかけるようにロス米商務長官発言があったことでドル円は下落基調がNYクローズまで続き、米国10年債利回りも2.600%を割り込んで低下しました。

・ドル円は雇用統計発表後しばらくは115.10-40で方向感なく上下していましたが、23:50にロス米商務長官の「(貿易について問われ)日本の優先度は高い」との発言で115.28から114.82まで急落し、その後はリバを入れながら下げ続けて114.80でNYクローズとなりました。

・NY株は午前は堅調な値動きとなり一時$21,000に接近しましたが、原油価格が下落したため徐々に下げて一旦マイナスとなりました。
しかし午後になると持ち直してダウは$44高、ナスは0.39%高で引けました。

・米国10年債券利回りは欧州時間序盤は2.600%台前半で推移していましたが、雇用統計発表直後に下落して2.578%まで下落し、その後一旦反転して2.604%まで上昇しましたが、再び下げ基調となって2.575%でNYクローズとなりました。

 

結果
22:30 2月非農業部門雇用者数 予想:+20.0万人 結果:+23.5万人 (前回:+22.7万人 修正値:+23.8万人)
22:30 2月失業率 予想:4.7% 結果:4.7% (前回:4.8%)
22:30 2月平均時給 (前月比) 予想:+0.3% 結果:+0.2% (前回:+0.1% 修正値:+0.2%)

 

★雇用統計の明細は、米雇用統計詳細(2017年3月11日)の記事に載せています。
(下線部分をクリックすると、該当記事が別ウィンドウで開きます。)

 

 

ドル円(チャートは7:00時点)
・ドル円は欧州時間は115.35-50での小動きが続き、22:10に22:30の雇用統計発表の時は115.24でした。
発表直後に115.11-41で上下に振った後は方向感のない上下が続いていました。
しかし23:50にロス米商務長官が「(貿易について問われ)日本の優先度は高い」との発言が伝わると115.28から114.82まで急落し、00:20には114.75まで下落しました。
その後01:20に一旦115.13まで戻しましたが、そこからは下落基調となって06:10の114.64までリバを入れながら下げ続け、114.80でNYクローズとなりました。

左:ドル円-5分足 右:ドル円-1時間足
 

左:ドル円-日足

 

ユーロドル(チャートは7:00時点)
・欧州時間序盤は1.0590-1.0620で上下して22:30は1.0592でした。
発表で1.0592から1.0634まで急伸し、更に上げて23:00には1.0651まで上昇しました。
そこからは押し戻されて1.0619まで下落しましたが、00:35に1.0630から1.0658まで急伸してからは上昇基調となって05:05の1.0698まで上げ続けました。
しかし05:30からは押し戻されて1.0670でNYクローズとなりました。

左:ユロドル-5分足 右:ユロドル-1時間足
 

左:ユロドル-日足

 

米国10年債権利回り(チャートは7:00時点)
 欧州時間序盤は2.600%台前半の高い水準で推移が続き、雇用統計発表前に低下して22:30は2.591%でした。
発表直後から下げとなり23:15には2.578%まで下落した後は反転して01:15には2.604%まで上昇しましたが、そこからは下げ基調が続いて06:30には2.575%まで下落し、2.575%でNYクローズとなりました。

左:米国10年債権利回り-15分足 右:米国10年債権利回り-日足
 

 

先週金曜日のNY株式市場
NY DOW  20,902.98(+44.79)
NASDAQ  5,861.73(+22.92)
・先週金曜日の2月雇用統計で非農業部門就業者数が予想の+20.0万人を上回る+23.5万人でしたが平均時給は予想+0.3%から+0.2%で予想を下回る結果となりました。
NY株は序盤は上昇して$21,000に接近しましたが、原油価格が下落したため徐々に下げて一時はダウ・ナス共にマイナスとなり、午後になると持ち直してダウは$44高、ナスは0.39%高で引けました。

左:DOW-日足 右:NASDAQ-日足