豪・RBA政策金利と経常収支発表後の豪ドルの動き(2016年9月6日)

2016年9月6日

本日10:30に8月経常収支があり、予想を上回る好結果だったことで豪ドルは買われ、高値圏で13:30のRBA政策金利発表を迎えました。
政策金利発表の結果は据え置きで、10:30の経常収支後に大きく買われていたため発表後に大きな動きはありませんでした。
また今回でステーブンス総裁は退任となり、ロウ副総裁が総裁に就任しました。

 

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退任するスティーブンス総裁(画像はロイターより転載)

結果
10:30 豪・8月貿易収支 予想:-200豪ドル 結果:-155豪ドル (前回:-208豪ドル 修正値:-149豪ドル)
13:30 RBAキャッシュターゲット 予想:1.50% 結果:1.50% (前回:1.50%)

 

スティーブンス豪中銀総裁声明全文(時事通信より転載)
 理事会は本日の会合で、キャッシュレート(政策金利)を1.50%に据え置くことを決めた。
 世界経済の成長は緩やかなペースで推移しているが、平均的な水準を下回っている。経済状況は複数の先進国で改善したが、多くの新興国経済では厳しさを増した。中国当局の最近の対応が、短期的見通しを支えている。ただ、中国では今年に入り、成長率が一段と緩やかになった。
 商品価格は最近の安値から大きく改善した。しかし、過去数年間には大幅な下落を記録している。オーストラリアの交易条件は過去数年間に比べ低水準にとどまっている。
 金融市場は効果的に機能している。信頼度が高い借り手の資金調達コストは極めて低い。世界的に金融政策は極めて緩和的だ。
 豪州では、データからみて、設備投資は大幅に落ち込んでいるが、総じて成長が続いている。雇用市場の指標はまちまちだが、短期的には雇用増加が続く。
 インフレ率が極めて低い。雇用コストの伸びは著しく低調で、世界的に価格低下圧力が強いことを考慮すると、インフレ率は従来予想より低水準で推移する見通しだ。
 低金利は消費を支え、豪ドル安は貿易部門を支援している。金融機関は価値ある目的に投資する用意がある。こうした要因が、不可欠な経済的調整を支援している。しかし、豪ドル高がそれを複雑にしてしまう恐れがある。
 住宅市場では、監督強化の効果で融資基準が厳格化されている。同時に、多くの金融機関が一部商品の貸し出し基準を強化している。住宅価格は過去1年で緩やかに上昇した。住宅向け融資の伸びは鈍化した。今後数年、豪東部の主要都市を中心に、集合住宅の大量供給が見込まれている。
 入手可能な情報や、5月と8月に利下げを行ったことを考慮すると、金融政策を今回は維持することが、インフレ率の目標復帰や経済の持続的成長を促すと判断した。

豪ドル-ドル(チャートは15:30時点)
・昨日の欧州・NY時間は米国がレイバーデーで休場だったため動きが乏しく、欧州時間序盤は0.7600近辺での小動きで、19:00から一段下げてからは0.7575-95での小動きが続いて、0.7592でNYクローズとなりました。
・東京時間に入ると0.7585近辺でのこう着となり、8:10から上げ出して10:30の経常収支の時は0.7608でした。
結果が改善していたことで0.7608から0.7620まで上昇し、その後も上げが続いて13:00には0.7635まで上昇し、13:30の政策金利発表の時は0.7626でした。
発表で0.7626から0.7637まで小幅上げた後は押し戻されて0.7620近辺での小動きとなり、0.7626で15時となりました。

左:豪ドル・ドル-5分足 右:豪ドル・ドル-1時間足
 

左:豪ドル・ドル-日足

豪ドル-円(チャートは15:30時点)
・昨日の欧州時間序盤は78.50-60で小動きで、18:30から下げ出して19:20には78.27まで下落し、その後は78.40近辺での小動きが続いて78.43でNYクローズとなりました。
・東京時間に入ると78.40近辺で小動きでしたが、8:20から上げ出してドル円の上昇にも引っ張られて10:30は78.84でした。
発表で78.84から79.00まで上昇した後も更に上げとなって11:10には79.13まで上昇しました。
そこからは押し戻されて78.90-79.05で小動きとなり、13:30は78.97でした。
発表で78.91-79.07で小幅に振った後は79.00近辺での小動きとなり、79.02で15時となりました。

左:豪ドル・円-5分足 右:豪ドル・円-1時間足
 

左:豪ドル・円-日足

 

豪ドル-NZドル(チャートは15:30時点)
・昨日の欧州・NY時間は1.0350-85での小動きが続いて、1.0370でNYクローズとなりました。
・東京時間に入ると1.0370近辺で小動きとなり、8:40から上げ出して10:10には1.0407まで上昇し、10:30は1.0399でした。
発表で1.0399から1.0411まで上昇し、そこから更に上げて11:15には1.0425まで上昇し、一旦11:50に1.0408まで押し戻された後は再び上げて13:00には1.0429まで上昇し、13:30は1.0413でした。
発表で1.0394-1.0424で振った後はジリジリとした下げとなって1.0399で15時となりました。

左:豪ドル・NZドル-5分足 右:豪ドル・NZドル-1時間足
 

左:豪ドル・NZドル-日足

 

ドル円(チャートは15:30時点)
・昨日のドル円は18:50に103.14まで下落した後は103.20-50での上下が続き、103.42でNYクローズとなりました。
・東京時間に入ると103.40-55で小動きの後9:45から上げ出して11:05には103.80まで上昇しました。
しかし11:30に浜田内閣官房参与の「日銀はFOMC決定前の追加緩和は控えるべきだ」との発言が伝わると103.69から103.35まで34pips急落しました。
そこからは戻して103.45-60での小動きとなり、13:45には103.72まで上昇しましたが、その後は押し戻されて103.61で15時となりました。

左:ドル円-5分足 右:ドル円-1時間足
 

左:ドル円-日足

 

 

日本国債(チャートは15:00時点)
9:10の152.03からジリジリとした下落が続き、入札警戒感の高まりで10:20から下げ足を速めて12:45には150.70まで大きく下落しました。
その後は戻して151.20近辺での小動きが続いて、151.33で15時となりました。
注目の第343回10年利付国庫債券入札の落札結果は、募入最低価格は101円19銭(-0.020%)と市場予想平均(101円40銭程度)を大幅に下回った。募入最低価格における案分比率は76.6086%。募入平均価格は101円46銭(-0.047%)で、テールは27銭(0.027%)、応札倍率は約3.16倍でした。応札倍率は2016年2月2日の入札以来の低い水準で、テールは2015年3月3日の入札以来の長さと低調な結果となりました。

左:日本国債先物-5分足 右:日本国債先物-日足