FOMC直後のドルの動き(2021年12月16日)

2021年12月16日

 FOMC声明では量的緩和政策の終了時期の想定を2022年6月から同3月へ前倒しする方針を決定し、参加した委員の政策金利予想では2022年の利上げ予想回数を従来の1回から3回に引き上げ、2023年は3回で前回と同じ、2024年は2回と前回の3回から引き下げられました。
来年1月から新規の資産購入額を月300億ドルずつ減らす方針を決め、減額幅は11月に決めた月150億ドルから2倍に拡大しました。
また声明でこれまでの「インフレは一時的(transitory)」との表現を声明文から削除し、「需給不均衡がインフレの押し上げに寄与し続けた」とインフレの持続性を強調する表現に改め、会合後の記者会見ではパウエルFRB議長は利上げ時期について明言を避けました。

 

結果
0.00-0.25%で据え置き

 

★FOMC声明の全文を、FOMC声明全文(2021年12月16日)の記事に載せています。

 

 

ドル円(チャートは7:00時点)
・欧州時間序盤はジリジリと上げて16:00の113.66から22:20には113.89まで上昇し、NYタイムに入るとFOMCを目前に控えていたため113.75-95で上下し、04:00のFOMC声明の時は113.89でした。
発表直後からドル買いが優勢となって113.89から114.23まで急伸し、パウエルFRB議長会見が始まる04:30には114.26まで上昇しました。
その後は米国株が一転大幅上昇したことでリスクオンのドル売りが出て05:30には113.95まで下落し、114.05でNYクローズとなりました。

左:ドル円-5分足 右:ドル円-1時間足
 

左:ドル円-日足

 

ユーロドル(チャートは7:00時点)
・欧州時間序盤は1.1255-80で上下し、NYタイムに入ると1.1260を挟んだ小動きが続き、04:00は1.1257でした。
発表直後にドル買いで1.1257から1.1220まで下落しましたが、米国株が一転大幅上昇したことを受けてリスクオンのドル売りの流れとなり05:30には1.1299まで急伸し、1.1293でNYクローズとなりました。

左:ユロドル-5分足 右:ユロドル-1時間足
 

左:ユロドル-日足

 

米国10年債権利回り(チャートは7:00時点)
・FOMC声明でテーパリング(量的緩和の縮小)の加速が決定され、政策金利予想(ドット・チャート)で来年3回の利上げが示唆されると債券が売られましたが、「ほぼ想定の範囲内だった」との見方から上昇幅は小さく、1.462%でNYクローズとなりました。

左:米国10年債権利回り-15分足 右:米国10年債権利回り-日足
 

 

昨日のNY株式市場
NY DOW  35,927.43(+383.25)
NASDAQ  15,565.58(+327.94)
・昨日のダウは寄り付き後は11月小売売上高が予想以上に鈍化したことを嫌気してマイナス圏で推移し、その後米国立アレルギー感染症研究所(NIAID)のファウチ所長の「オミクロン株に特化したワクチンは今のところ必要ない」を受けて下げ止まり、FOMCでゼロ金利据え置きや量的緩和縮小規模を2倍とする想定通りの結果を好感して急速に上昇して$383高で引けました。
またナスもFOMC後に長期金利の上昇が抑えられていたためハイテク株も買われて2.15%の大幅高で引けました。

左:DOW-日足 右:NASDAQ-日足
 

 

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