FOMC直後のドルの動き(2019年10月31日)

2019年10月31日

 FOMC声明文では前回の「景気拡大や力強い労働市場、対称的な2%目標近くのインフレの維持に向けて適切に行動する」 との文言は削除されましたが発表直後は大きな動きはありませんでした。
03:30から始まったパウエルFRB議長会見で「金融政策は良い状況にあると判断」「現行の政策スタンスは適切であり続ける可能性が高い」などの発言で利下げ打ち止めへの思惑が高まったためドル売りの流れとなりました。
しかし「利上げの前には著しいインフレ率の上昇が必要」との見解を示したことで早期の利上げ転換もないとの思惑から逆にドル売りの流れとなり、そのままNYクローズを迎えました。

 

結果
1.75-2.00%から1.50-1.75%へ0.25%の引き下げ

 

★FOMC声明の全文を、FOMC声明全文(2019年10月31日)の記事に載せています。
(下線部分をクリックすると、該当記事が別ウィンドウで開きます。)

 

 

ドル円(チャートは7:00時点)
・昨夜のドル円は欧州時間は108.80-90で推移し、21:15のADPと21:30の7-9GDP速報値が予想を上回ったため上げ出して22:20には108.97まで上昇しました。
その後押し戻されて再び108.80-90での推移が続いて03:00のFOMC声明の時は108.86でした。
発表直後に108.86から108.98まで上昇し、03:30のパウエルFRB議長会見で「金融政策は良い状況にあると判断」「現行の政策スタンスは適切であり続ける可能性が高い」などの発言を受けてドルが買われて03:40には109.28まで急伸しました。
しかし「利上げの前には著しいインフレ率の上昇が必要」との発言で早期の利上げ転換もないとの思惑から一転してドル売りの流れとなり04:25には108.72まで急落して108.85でNYクローズとなりました。

左:ドル円-5分足 右:ドル円-1時間足
 

左:ドル円-日足

 

ユーロドル(チャートは7:00時点)
・欧州時間は1.1110-25での推移が続き、21:30の7-9GDP速報値の発表後に1.1102まで下落しました。
その後ジリジリと戻して01:00に1.1125まで上昇し、03:00のFOMC声明の時は1.1114でした。
発表直後にドル買いで1.1102まで下落し、03:30からのパウエルFRB議長会見後にドル買いの流れで03:40に1.1079まで下落しました。
しかし「利上げの前には著しいインフレ率の上昇が必要」との発言を受けてドル売りの流れとなったため04:25には1.1150まで上昇し、1.1149でNYクローズとなりました。

左:ユロドル-5分足 右:ユロドル-1時間足
 

左:ユロドル-日足

 

米国10年債権利回り(チャートは6:00時点)
・欧州時間は1.820-40で推移していましたが、NYタイムに入ると低下し出し、03:00のFOMC声明の時は1.800%でした。
その後1.819%まで上昇しましたがパウエルFRB議長会見で当面の利下げ停止が示唆されたため再び低下し出し、05:00に1.771%まで低下して1.775%でNYクローズとなりました。

左:米国10年債権利回り-15分足 右:米国10年債権利回り-日足
 

 

昨日のNY株式市場
NY DOW  27,186.69(+115.27)
NASDAQ  8,303.98(+27.12)
・FOMC声明で「景気拡大の持続へ適切な行動をとる」との従来の表現を削除して様子見姿勢を強めることを示唆し、パウエルFRB議長が記者会見で「経済が想定内であれば、現行政策は適切」「現時点で利上げは考えていない」と発言し、更に「利上げの前には著しいインフレ率の上昇が必要」との発言を受けて早期の利上げ転換がないとの安心感から一段高となりダウは$115高、ナスは0.33%高で引けました。

左:DOW-日足 右:NASDAQ-日足
 

 

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