ジャクソンホール後のNY市場の動き(2019年8月24日)

 

2019年8月24日

 ジャクソンホールでのパウエルFRB議長講演では「景気拡大持続へ適切に行動する」と追加利下げに踏み切る考えを示唆しましたが、利下げの時期については明言を避け、市場が9月の金融政策会合での利下げをほぼ織り込み済みのため、発言の反応は限定的でした。
しかしパウエルFRB議長講演の前の21:00に突然中国政府が米国の対中制裁関税への報復として、米国からの輸入品約750億ドル相当に9/1から最大10%の追加関税を課す、また1月から適用を見合わせていた自動車・同部品への対米報復関税も12/15に再び導入して最大25%の税率を上乗せすると発表し、更にパウエルFRB議長講演後にトランプ大統領がツイッターで「きょうの午後、中国の関税に対応する」「中国を必要としていない。いない方がはるかにましだ」と投稿したことで米中貿易摩擦の激化懸念が急速に高まったためリスク回避の円買いとドル売りの流れとなりドル円は23:00の106.62から03:40には105.25まで下落し、ダウは$623安、ナスは3.00%もの大幅安で引けました。

・ドル円は21:00の中国政府が米国の対中制裁関税への報復を発表したため106.73から106.38まで急落し、23:00から始まったパウエルFRB議長講演後には106.62まで戻しました。
しかしその後トランプ大統領のツイートで23:45の106.31から00:05には105.54まで急落し、その後もジリ下げが続いて03:45に105.25まで下落し、105.39でNYクローズとなりました。

・ユーロドルは23:00にパウエルFRB議長講演が始まると1.1052-1.1082で上下に振った後1.1080近辺での揉み合いとなりました。
しかしトランプ大統領のツイートでドル売りの流れが強まり00:55には1.1147まで駆け上がり、1.1144でNYクローズとなりました。

・米国10年債権利回りは21:00に中国政府が米国の対中制裁関税への報復を発表したことで1.606%まで急低下し、その後パウエルFRB議長講演が始まると1.564%までさらに低下しました。
トランプ大統領のツイートで更に低下が続いて02:00に1.510%まで低下して1.533%でNYクローズとなりました。

・NY株は21:00に突然中国政府が米国の対中制裁関税への報復の発表を受けて時間外のダウ先物が26,300から26,050まで急落しました。
パウエルFRB議長講演後に戻しましたが、トランプ大統領のツイートで0時に26,200から25,800まで急落し、更に下げが続いて引け前には745ドル安の25,507まで下落し、ダウは$623安、ナスは3.00%もの大幅安で引けました。

 

★ジャクソンホーでのパウエルFRB議長講演は、パウエルFRB議長のジャクソンホール講演要旨(2019年8月24日)の記事に載せています。
(下線部分をクリックすると、該当記事が別ウィンドウで開きます。)

 

 

ドル円(チャートは6:00時点)
・先週金曜日のドル円は欧州時間序盤は106.55-70で上下し、20:50に106.73まで上昇しました。
21:00に突然中国政府が米国の対中制裁関税への報復として、米国からの輸入品約750億ドル相当に9/1から最大10%の追加関税を課す、また1月から適用を見合わせていた自動車・同部品への対米報復関税も12/15に再び導入して最大25%の税率を上乗せすると発表したため106.73から106.38まで急落しました。
そこからは106.50近辺で揉み合いが続き、23:00から始まったパウエルFRB議長講演で「景気拡大持続へ適切に行動する」と追加利下げに踏み切る考えを示唆しましたが、利下げの時期については明言を避けたこともあり106.62まで上昇しました。
しかしその後トランプ大統領がツイッターに「きょうの午後、中国の関税に対応する」「中国を必要としていない。いない方がはるかにましだ」と投稿したことで米中貿易摩擦の激化懸念が急速に高まりリスク回避の円買いの流れが強まり、23:45の106.31から00:05には105.54まで急落し、その後もジリ下げが続いて03:45に105.25まで下落し、105.39でNYクローズとなりました。

左:ドル円-5分足 右:ドル円-1時間足
 

左:ドル円-日足

 

 

ユーロドル(チャートは6:00時点)
・欧州時間序盤は1.1050-75で上下し、23:00にパウエルFRB議長講演が始まると1.1052-1.1082で上下に振った後1.1080近辺での揉み合いとなりました。
しかしトランプ大統領のツイートでドル売りの流れが強まり00:55には1.1147まで駆け上がりました。
その後は1.1130-50での上下となり、1.1144でNYクローズとなりました。

左:ユロドル-5分足 右:ユロドル-1時間足
 

左:ユロドル-日足

 

 

米国10年債権利回り(チャートは6:00時点)
・欧州時間序盤は1.630-1.660%で上下していましたが、21:00に中国政府が米国の対中制裁関税への報復を発表したことで1.606%まで急低下し、その後パウエルFRB議長講演が始まると1.564%までさらに低下しました。
トランプ大統領のツイートで更に低下が続いて02:00に1.510%まで低下して1.533%でNYクローズとなりました。

左:米国10年債権利回り-15分足 右:米国10年債権利回り-日足
 

 

 

先週金曜日のNY株式市場
NY DOW    25,628.90(-623.34)
NASDAQ    7,751.77(-239.62)

・先週金曜日のNY株はジャクソンホールでのパウエルFRB議長講演を控えて欧州時間から様子見ムードが続いていましたが、21:00に突然中国政府が米国の対中制裁関税への報復として、米国からの輸入品約750億ドル相当に9/1から最大10%の追加関税を課す、また1月から適用を見合わせていた自動車・同部品への対米報復関税も12/15に再び導入して最大25%の税率を上乗せすると発表したため時間外のダウ先物が26,300から26,050まで急落しました。
そこからジリジリと戻し、パウエルFRB議長講演で「景気拡大持続へ適切に行動する」と追加利下げに踏み切る考えを示唆しましたが、利下げの時期については明言を避け、市場が9月の金融政策会合での利下げをほぼ織り込み済みのため、発言の反応は限定的でした。
しかしその後トランプ大統領がツイッターに「きょうの午後、中国の関税に対応する」「中国を必要としていない。いない方がはるかにましだ」と投稿したことで米中貿易摩擦の激化懸念が急速に高まり、11:45に26,200から25,800まで急落し、更に下げが続いて引け前には745ドル安の25,507まで下落し、ダウは$623安、ナスは3.00%もの大幅安で引けました。

左:DOW-日足 右:NASDAQ-日足
 

 

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