オーストラリア中央銀行声明全文(2018年11月6日)

2018年11月6日

本日11/6(火)に行われたオーストラリア政策金利発表後のオーストラリア中央銀行声明全文です。(ロイターより転載)

 政策理事会は今日、政策金利のキャッシュレートを1.50%に据え置くことを決定した。

 世界経済は引き続き拡大している。多くの先進国・地域がトレンドを上回るペースで成長しているほか、失業率は低水準となっている。中国経済は小幅に減速し、当局は金融セクターのリスクに引き続き細心の注意を払いつつ、政策を緩和している。世界的にインフレ率は低水準にとどまっている。とはいえ、原油価格の上昇と賃金上昇の一定の加速によりインフレ率は上昇した。引き締まった労働市場と米国の大規模な財政刺激を考慮すると、一段の上昇が見込まれる。世界の見通しに関する不透明要因の1つは、米国の国際通商政策の方向性から生じている。

 先進国の金融状況は引き続き緩和的だが、最近は幾分タイト化した。株価は下落し、一部の国の国債利回りは上昇したが、依然として低水準にとどまっている。米ドルは今年、幅広く上昇している。

 豪州では市場金利が年初の水準からいったん上昇したが、最近は低下している。標準的な変動住宅ローン金利は数カ月前より若干高く、新規の住宅ローン金利は総じて既存ローン金利を下回っている。

 豪経済は順調に推移している。国内総生産(GDP)は過去1年間に3.4%拡大し、失業率は6年ぶり低水準の5%に低下した。2018年と19年の経済成長率予想は小幅に引き上げられた。中銀の中心的なシナリオでは、18年と19年の2年間のGDP伸び率は約3.5%で、20年には資源輸出の伸びの鈍化により減速する。

 景況感は明るく、鉱業以外の設備投資は増加が見込まれる。公共インフラ投資の増加と資源輸出の伸びも経済を下支えしている。

 引き続き不透明要因の1つとなっているのは家計消費の見通しだ。家計所得の伸びは依然低水準で、債務の水準は高く、一部の資産価格は下落した。干ばつは一部の農業セクターの状況を厳しくした。

 豪州の交易条件は、ここ数年で改善して以前の予想を上回り、国民所得の押し上げにも寄与している。交易条件は今後悪化するとみられる一方、比較的高水準にとどまる見込みだ。

 豪ドルは貿易加重ベースで過去2年間のレンジ内にとどまっているが、現在はレンジの下半分にある。

 

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