オーストラリア中央銀行声明全文(2017年9月5日)

2017年9月5日

本日9/5(火)に行われたオーストラリア政策金利発表後のオーストラリア中央銀行声明全文です。(ロイターより転載)

 

政策理事会はきょうの会合で、政策金利のキャッシュレートを1.50%に据え置くことを決定した。

 世界経済の状況は引き続き上向いている。労働市場は一段とタイト化し、多くの先進国経済ではトレンドを上回るペースでの成長が見込まれるが、先行き不透明感も残る。中国経済は、インフラや不動産建設における支出拡大が成長を下支えしており、高水準の債務は引き続き中期的なリスクを示している。コモディティー価格は最近上昇したが、豪州の交易条件は今後数年にわたって依然として悪化する見込みだ。

 賃金の伸びとコアインフレ率は、大半の国で依然抑制されている。原油価格の先の下落を主因として、消費者物価指数(CPI)は最近低下した。米国の金利は一段の上昇が見込まれ、他の主要国経済において追加緩和が実施される見込みはもはやない。金融市場は効果的に機能しており、ボラティリティーは低水準となっている。

 最近のデータは豪経済が今後数年間に徐々に上向くとのRBAの予想と一致している。鉱業投資の衰退は自然な経過をたどるだろう。

 鉱業以外の事業投資の見通しは最近改善しており、報告されている景況感は高水準だ。住宅建設活動は引き続き高水準を維持しているが、今後の伸びはほとんど見込まれない。小売売上高は最近回復したが、実質賃金の低迷と高水準の家計債務が、消費の伸びを抑制する可能性がある。

 先行きに関するさまざまな指標は、今後の雇用の堅調な伸びを示している。失業率は今後数年間、小幅低下する見込みだ。賃金の伸びは依然鈍く、当面はこうした状況が続く可能性があるが、労働市場の状況改善によって賃金はやがて幾分押し上げられる見込みだ。

 インフレ率も依然低水準だが、経済が強含むにつれ、徐々に上向く見通し。米ドル安も一因となり、豪ドルはここ数カ月上昇している。通貨高は価格圧力の抑制の一因となることが見込まれる。また、生産と雇用の見通しの重しにもなっている。通貨の上昇により、経済活動の好転とインフレ率の上昇は、現在予想されているペースより緩やかになることが見込まれる。

 住宅市場の状況は地域によってかなりばらつきがある。住宅価格が大幅に上昇している地域もあるが、こうした状況が和らいでいる兆しがあり、とりわけシドニーでみられる。
一部の地域では価格が下落している。東部の主要都市では今後数年、かなりの数の集合住宅の追加供給が計画されている。

 

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