オーストラリア中央銀行声明全文(2017年4月4日)

2017年4月4日

本日4/4(火)に行われたオーストラリア政策金利発表後のオーストラリア中央銀行声明全文です。(ロイターより転載)

 政策理事会はきょうの会合で、政策金利のキャッシュレートを1.50%に据え置くことを決定した。

 世界経済の状態は最近数カ月間、回復を続けてきた。世界貿易と鉱工業生産はいずれも上向いている。労働市場は多くの国でタイト化した。多くの先進国経済ではトレンドを上回るペースでの成長が見込まれるが、不透明感も残る。

 中国ではインフラや不動産建設における支出拡大が成長を下支えしている。この、成長と借り入れ急増という構成は、中国の成長において中期的なリスクが残ることを意味する。

 世界経済の回復はコモディティー価格の上昇につながり、豪州の国民所得を大幅に押し上げる要因となっている。

 コモディティー価格の上昇も一因となり、インフレ率は大半の国で上昇した。コアインフレ率は依然として低水準だ。

 長期債利回りも前年より上昇しているが、歴史的に見れば引き続き低水準となっている。米国の金利は一段と上昇しており、他の主要国経済において追加緩和が実施される見込みはもはやない。金融市場は効果的に機能している。

 豪経済は鉱業投資ブーム後の移行が続いている。最近の経済指標は現在進行中の緩やかな成長と合致している。

 企業信頼感の大半の指標は平均もしくは平均以上で、非鉱業部門の設備投資はここ1年間で増加した。

 同時に、最近は労働市場の状態を示す一部の指標に弱さが見られる。特に、失業率は若干上昇し、雇用の伸びは控えめだ。先行きに関するさまざまな指標は依然として今後の雇用の継続的な伸びを示している。賃金の伸びは引き続き鈍い。

 見通しは引き続き低水準の金利に支援されている。

 銀行は最近、投資家向けを中心に住宅ローンの引き上げを発表した。金融機関は引き続き貸し出す態勢にある。2013年以降の通貨安も、鉱業投資ブーム後の移行期の経済を支えている。通貨高はこの調整を複雑にする可能性がある。

 インフレはかなり低い水準にとどまっている。総合インフレ率は、2017年中に2%を超える見通しだ。労働コストの伸びが引き続き抑制される中、基調インフレの伸びはそれよりもやや緩やかになる見込みだ。

 住宅市場の状況は地域によってかなりの差異がみられる。一部の市場は強い状況で価格が大幅に上昇している。

 他の市場では価格が下落している。東部の主要都市では今後数年、かなりの数の集合住宅の追加供給が計画されている。家賃は20年ぶりの緩やかな伸びとなっている。

 住宅購入による部分の大きい家計の借り入れ増加は、引き続き家計の収入を上回るペースとなっている。貸し出し基準の厳格化により、最近発表された監督措置は、高水準の債務のさらなる増加に関連するリスクへの取り組みを支援するだろう。銀行は、彼らの利用している現在の有用性指標が適切であることを保証しなければならない。国内市場において、利息のみの返済が可能な融資であるインタレストオンリー(IO)ローンへの依存度が低下していることは前向きな進歩だ。

 入手可能な情報を考慮し、理事会は今回の会合で金融政策スタンスを維持することが、持続可能な経済成長およびインフレ目標の達成と一致していると判断した。