メイ首相演説後のポンドの動き(2017年1月18日)

2017年1月18日

・昨日(1/17)20:45に行われた英国メイ首相の演説直後からポンドは買われ、英国の株価指数FTSEは売られる展開となりました。
・ポンドはここまで最悪の事態を想定して売り込まれていたこともあり、材料出尽くしの買い戻しやブレグジットはするもののEUとの関係を今後も重要視することなど最悪のハードさではないとの内容だったことから演説直後から急騰となり、ポンド・ドルは20:45の1.2170から一時は1.2414まで上昇して1.2410でNYクローズとなりました。
またポンド円は20:45の137.29から一時は140.14まで上昇して139.78でNYクローズとなりました。。
・ロンドン株式市場は演説内容がハード・ブレグジットを目指す方針だったため演説後から売りが継続して1.46%の下落となりました。

 

メイ首相演説抜粋
EU関税同盟と新たな協定を結びたい
関税協定の準加盟国でいる必要がある
EUに「半分残り、半分出る」ような合意しない
EU単一市場の加盟は提案していない
代わりに、EUへの可能な限りのアクセスを目指す
EU離脱後に英国への移民をコントロールできるよう留意
EU離脱の最終案は議会で採決にかける
他国が導入しているモデルは採用しない
欧州と前向きで建設的な関係を築く
出来る限り安定を求める
欧州連合(EU)に危害を加えるつもりはない
欧州連合(EU)が解体することは望んでいない
英国に偉大でグローバルな貿易国になってほしい

 

 

ポンド・ドル(チャートは7:00時点)
・昨日の欧州時間はジリ上げとなって16:00の1.2118からメイ首相演説が始まる20:45には1.2170まで上昇しました。
演説が始まった直後から急騰して20:45の1.2170から21:45の1.2346まで急ピッチで上昇し、一旦1.2300近辺まで押した後更に上げて23:50には1.2397まで上昇しました。 その後は1.2400を挟んだ小動きとなり、04:05には1.2414を付け、1.2410でNYクローズとなりました。

左:ポンドル-5分足 右:ポンドル-1時間足
 

左:ポンドル-日足

 

ポンド・円(チャートは7:00時点)
・昨日の欧州時間序盤は137.10-80での上下が続き、20:45は137.29でした。
演説開始後から強烈なポンド買いで急騰して20:45の137.29から21:55には140.06まで上昇しました。
その後は139.30-140.10での振幅の大きい上下が続く中で00:15に140.14を付け、139.78でNYクローズとなりました。

左:ポン円-5分足 右:ポン円-1時間足
 

左:ポン円-日足

 

ドル円(チャートは7:00時点)
・昨日のドル円は東京時間から続いていたドル売りの流れを引き継いでいたのに加えてメイ首相演説を控えていたこともあり、16:00の113.30から20:30には112.69まで下落しました。
20:45から始まったメイ首相演説では「EU単一市場の加盟は提案していない」「代わりに、EUへの可能な限りのアクセスを目指す」「EU関税同盟と新たな協定を結びたい」などの発言でハード・ブレグジット懸念が緩んでポンドが急反発し、引っ張られるようにドル円も反発して21:50には113.58まで上昇しました。
しかし1月NY連銀製造業景気指数が予想より悪化したことやダドリー・ニューヨーク連銀総裁の「最近のドル高は物価に下向きの圧力」との発言を受けて再びドル売りの流れとなり01:30には112.67まで下落しました。
その後は113.10近辺までリバりましたが、再度売り直されて112.61でNYクローズとなりました。

左:ドル円-5分足 右:ドル円-1時間足
 

左:ドル円-日足

 

ユーロ・ドル(チャートは7:00時点)
・昨日の欧州時間は東京時間から続いていたドル売りの流れを引き継いで上昇基調となり、16:00の1.0654から20:30には1.0719まで上昇し、20:45は1.0707でした。
メイ首相演説開始後からジリ下げとなって22:35には1.0685まで下落しましたが、そこからは反転して23:55には1.0716まで上昇しました。
その後は1.0690-1.0715での小動きとなって、1.0711でNYクローズとなりました。

左:ユロドル-5分足 右:ユロドル-1時間足
 

左:ユロドル-日足

 

米国10年債権利回り(チャートは8:50時点)
 20:45にメイ首相演説が始まると2.331%から21:45には2.351%まで上昇しましたが、その後は2.320-50%での上下が続き、2.325%で7時となりました。

左:米国10年債権利回り-15分足 右:米国10年債権利回り-日足
 

 

昨夜の英国株式市場
FTSE  7,220.38(-106.75)
・昨日のFTSEはメイ首相演説後からジリ下げが続き、1.46%の下落で引けました。

左:FTSE-1時間足 右:FTSE-日足
 

 

昨夜のNY株式市場
NY DOW  19,826.77(-58.96)
NASDAQ  5,538.73(-35.39)
・昨日のダウはトランプ次期大統領就任式を控えて手控えムードが強いなか利益確定売りも出て小幅安水準での小動きが続き、午後になると一段売り込まれましたが引けにかけては下げ幅を縮めて$58安で引け、ナスは終日軟調な展開となって0.63%安で引けました。
またメイ首相演説後に英FTSEは下落し、ドイツDAXやフランスCACは急反発しました。

左:DOW-日足 右:NASDAQ-日足