トランプ次期大統領記者会見後のドルの動き(2017年1月12日)

2017年1月12日

・昨日深夜1時過ぎからトランプ次期大統領の会見があり、会見前から期待感でドルは買われましたが、会見で大統領選挙中と同様にメキシコ国境への壁建設など過激な発言や、期待されていたインフラ投資や減税など具体的な経済対策が示されなかったため失望からドルが大幅に売られました。
トランプ次期大統領会見では、貿易関係について、「米国はもはや良い取引をできていない。貿易協定は大惨事だ。われわれは毎年、中国、日本、メキシコ、全ての国との間で巨額の貿易赤字を負っている」「ロシア、中国、メキシコ、日本は米国を尊敬するようになる」と発言し、メキシコ・中国・ロシアと並んで日本を名指しで批判したことに対して意外感をもった驚きの報道が朝から国内でされていました。

・ドル円は会見前に116.86まで上昇しましたが、ドル売りとNY株・日経先物の下落でリスク回避の円買いも加わって01:20の116.86から03:10の114.22まで260pipsの大幅下落となり、115.40でNYクローズでした。
・ダウは朝方はトランプ次期米大統領記者会見への期待から上昇していましたが、会見後に急速に下落してマイテンしました。
しかし原油価格が上昇したためエネルギーセクターが買われたことで再び上昇してからは堅調な展開となり$98高で引けました。
・米国10年債券利回りは会見後に2.332%まで急速に低下しましたが、すぐに反転して低下分を打ち消す上昇となって2.370%でNYクローズとなりました。

ドル円(チャートは9:30時点)
・昨日のドル円は17:30に115.81まで下げた後は上げ出して19:40には116.44まで上昇し、116.10-40で上下していました。
トランプ次期米大統領の記者会見を目前にした23:50からドル買いが強まって00:10には116.85まで上昇して116.60-85で揉み合っていました。
しかし会見中に具体的な経済対策への言及がなかったため失望売りで01:20に116.86から01:50には115.69まで急落し、115.70-116.50で大きく上下に振る動きが続き、02:30から再び下げ出すとストップロスを巻き込んで03:10には114.22まで急落しました。
その後は急速な戻りとなって05:10には115.62まで上昇し、115.40でNYクローズとなりました。

左:ドル円-5分足 右:ドル円-1時間足
 

左:ドル円-日足

 

ユーロドル(チャートは9:30時点)
・欧州時間は下落基調となって16:00の1.0558から00:20の1.0453まで下落しましたが、トランプ会見が始まるとドル売りが強まったため反転して急速に上昇し、01:20の1.0464から03:30には1.0622まで158pips上昇して1.0579でNYクローズとなりました。

左:ユロドル-5分足 右:ユロドル-1時間足
 

左:ユロドル-日足

 

米国10年債権利回り(チャートは7:00時点)
 欧州時間は2.370-395%で上下していましたが、トランプ会見後から急速に下げ出して03:00には2.332%まで低下しました。
しかしそこからは反転して04:30には2.372%まで上昇して3時からの低下分を戻し、2.370%で7時となりました。

左:米国10年債権利回り-15分足 右:米国10年債権利回り-日足
 

 

昨夜のNY株式市場
NY DOW  19,954.28(+98.75)
NASDAQ   5,563.65(+11.83)
・昨日のダウは朝方はトランプ次期米大統領記者会見への期待から上昇しましたが、会見で大統領選挙中と同様のメキシコ国境への壁建設など過激な発言や、期待されていたインフラ投資や減税への言及がなかったため急速に下落してマイテンしました。
しかし原油価格の上昇でエネルギーセクターが買われたことで再び上昇してからは堅調な展開となり$98高で引けました。

左:DOW-日足 右:NASDAQ-日足