米雇用統計発表後のドルの動き(2020年8月8日)

 

 

2020年8月8日

 7月雇用統計で非農業部門雇用者数は予想の158.0万人増を上回る176.3万人増、失業率も予想の10.5%より改善の10.2%の好結果でした。
しかしトランプ大統領が中国の動画投稿アプリTikTokと対話アプリのウィーチャットを運営するバイトダンスとの取引を45日後から禁止するとの大統領令に署名したことや米政府が香港政府の行政長官らに制裁を科すと発表したことで米中対立拡大への懸念が高まり、また追加経済対策を巡る米与野党協議は物別れに終わったと伝わりました。

・ドル円は雇用統計が好結果だったため発表直後に105.63から105.86まで上昇しましたが、すぐに押し戻されて21:50には105.55まで下落しました。
しかし22:00から上げ出して23:25には106.05まで上昇し、新型コロナウイルス追加経済対策を巡る米与野党協議が難航していることや米政権が香港政府トップらに制裁を科すと発表して米中関係悪化への警戒感が高まりましたが、日付が変わると105.80-106.00での小動きが続いて、105.95でNYクローズとなりました。

・ユーロドルは雇用統計発表直後に1.1820から1.1801まで下落しましたが、すぐに反転して21:40には1.1845まで上昇しましたが、22:00からドル買いとユーロ売りの流れとなり23:05まで90pips下落し、その後は1.1780を挟んだ小動きが続いて、1.1785でNYクローズとなりました。

・米国10年債権利回りは雇用統計が良好な結果だったため債券が売られて利回りは上昇し、0.566%でNYクローズとなりました。

・NY株は7月米雇用統計が良好な結果でしたがトランプ大統領が中国の動画投稿アプリTikTokと対話アプリのウィーチャットを運営するバイトダンスとの取引を45日後から禁止するとの大統領令に署名したことや米政府が香港政府の行政長官らに制裁を科すと発表したことで米中対立拡大への懸念から一時160ドル安まで下落し、その後徐々に戻して引け前に一段と買われて、6/8以来2カ月ぶりの高値の$46高で引け、一方ナスは利食いに押されて8営業日ぶり反落の0.87%安で引けました。

結果
22:30 7月非農業部門雇用者数 予想:+158.0万人 結果:+176.3万人 (前回:+480.0万人 修正値:+479.1万人)
22:30 7月失業率 予想:10.5% 結果:10.2% (前回:11.1%)
22:30 7月平均時給 (前月比) 予想:-0.5% 結果:+0.2% (前回:-1.2%)
22:30 7月平均時給 (前年同月比) 予想:+4.2% 結果:+4.8% (前回:+5.0% 修正値:+4.9%)

 

★雇用統計の明細は、米雇用統計詳細(2020年8月8日)の記事に載せています。
(下線部分をクリックすると、該当記事が別ウィンドウで開きます。)

 

 

ドル円(チャートは6:00時点)
・ドル円は欧州時間序盤は105.55-75で上下し、21:30の雇用統計の時は105.63でした。
好結果だったため発表直後に105.63から105.86まで上昇しましたが、すぐに押し戻されて21:50には105.55まで下落しました。
しかし22:00から上げ出して23:25には106.05まで上昇し、クドロー米国家経済会議(NEC)委員長が新型コロナウイルス追加経済対策を巡る米与野党協議が難航していることを示唆したことやトランプ米政権が香港政府トップらに制裁を科すと発表して米中関係悪化への警戒感が高まりましたが、日付が変わると105.80-106.00での小動きが続いて、105.95でNYクローズとなりました。

左:ドル円-5分足 右:ドル円-1時間足
 

左:ドル円-日足

 

 

ユーロドル(チャートは6:00時点)
・欧州時間序盤は1.1810-50で上下し、21:30は1.1820でした。
発表直後に1.1820から1.1801まで下落しましたが、すぐに反転して21:40には1.1845まで上昇しました。
しかし22:00からドル買いとユーロ売りの流れとなり23:05まで90pips下落し、その後は1.1780を挟んだ小動きが続いて、1.1785でNYクローズとなりました。

左:ユロドル-5分足 右:ユロドル-1時間足
 

左:ユロドル-日足

 

 

米国10年債権利回り(チャートは7:00時点)
・欧州時間序盤は0.510-5405で推移していましたが、7月米雇用統計が良好な結果だったため債券が売られて利回りは上昇し、0.566%でNYクローズとなりました。

左:米国10年債権利回り-15分足 右:米国10年債権利回り-日足
 

 

 

先週金曜日のNY株式市場
NY DOW    27,433.48(+46.50)
NASDAQ   11,010.98(-97.09)

・昨日のダウは7月米雇用統計が良好な結果となりコロナの感染が再拡大のなか労働市場の緩やかな回復を示しましたが、トランプ大統領が中国の動画投稿アプリTikTokと対話アプリのウィーチャットを運営するバイトダンスとの取引を45日後から禁止するとの大統領令に署名したことや米政府が香港政府の行政長官らに制裁を科すと発表したことで米中対立拡大への懸念から一時160ドル安まで下落しました。
その後徐々に戻して引け前に一段と買われて、6/8以来2カ月ぶりの高値の$46高で引け、一方ナスは利食いに押されて8営業日ぶり反落の0.87%安で引けました。
なお、追加経済対策を巡る米与野党協議は物別れに終わったと伝わりました。

左:DOW-日足 右:NASDAQ-日足
 

 

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