オーストラリア中央銀行声明全文(2018年5月1日)

2018年5月1日

本日5/1(火)に行われたオーストラリア政策金利発表後のオーストラリア中央銀行声明全文です。(ロイターより転載)

 政策理事会は本日、政策金利のキャッシュレートを1.50%に据え置くことを決定した。

 世界経済は過去1年間に改善した。多くの先進国・地域がトレンドを上回って成長しているほか、失業率が低水準となっている。中国経済は当局が金融セクターのリスクと成長の持続可能性に一段と注意を払う中で引き続き堅調に成長している。世界的にインフレ率は低水準にとどまっている。とはいえ、一部の国・地域ではインフレ率が上昇しており、引き締まった労働市場を考慮すると一段の上昇が見込まれる。世界経済の状況が改善するにつれて、多くの中央銀行は金融刺激策からある程度撤退しており、この方向にさらに進むと見込まれる。

 長期債利回りは過去6カ月にわたって上昇しているが、依然として低水準となっている。株式市場のボラティリティーは昨年のかなり低い水準から上昇している。これは米国の通商政策の方向性に関する懸念が一因だ。クレジットスプレッドも小幅に拡大したものの、低水準にとどまっている。金融状況は引き続き総じて緩和的となっている。ただ、フェデラルファンド(FF)金利の上昇以外の理由で米ドル短期金利が上昇する中、米ドル短期金融市場の状況は過去数カ月間に引き締まっている。これが豪州を含む少数の他国における短期金利上昇につながっている。

 原油価格は最近上昇しており、一部の非鉄金属価格も上昇している。豪州の交易条件は今後数年にわたって悪化するとみられるが、比較的高水準にとどまる見込みだ。

 中銀の中心的な予想は引き続き成長ペースの加速を見込んでおり、2018年と2019年に平均で3%を若干上回る見通しだ。これによって経済の余剰資源がある程度削減されるはずだ。

 景況感は強く、鉱業以外の設備投資は増加している。公共インフラ投資の増加も経済を下支えしている。輸出も一段の伸びが見込まれる。引き続き不透明要因となっているのは家計消費の見通しだ。ただ、消費の伸びは2017年終盤に上向いた。家計所得の伸びは緩やかで債務の水準は高い。

 

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