米雇用統計発表後のドルの動き(2017年4月8日)

2017年4月8日

・3月雇用統計は非農業部門雇用者数が予想+18.0万人を大幅に下回る+9.8万人となり発表直後はドル売り・株売りとなりましたが、今回の結果は3月中旬に米・北東部を襲った寒波で建設業での伸び鈍化の影響を受けたとのことからすぐに反転してドル買い・株買いの流れとなりました。
その後2時前にダドリー米ニューヨーク連銀総裁の「政策の優先手段は金利でありバランスシートではない」「バランスシート縮小は利上げにわずかな中断しかもたらさない可能性」との発言で再投資政策見直しが利上げペースを遅らせる懸念が後退したとの解釈から更にドル買いの流れが強まりドル円・NY株は一段高となりました。
しかし引けにかけてはシリアへのミサイル攻撃や北朝鮮問題の地政学リスクを意識して上げ幅を縮めてNYクローズとなりました。

・ドル円は雇用統計で非農業部門雇用者数が予想+18.0万人を大幅に下回る+9.8万人の結果だったため110.65から110.08まで急落しましたが、すぐに反転して22:10には110.97まで駆け上がりました。
その後ダドリー米ニューヨーク連銀総裁発言で01:50に110.75から111.16まで急伸して03:00には111.36まで上昇し、その後は押し戻されて111.08でNYクローズとなりました。

・NY株は朝方は非農業部門雇用者数が予想を大幅に下回る結果だったため前日終値を挟んだ揉み合いが続いていましたが、01:50のダドリー米ニューヨーク連銀総裁発言から買われ出してダウは一時$60高まで上昇しました。
しかし引けにかけてはシリアへのミサイル攻撃があったこともあり地政学的リスクへの警戒から押し戻されてダウは$6安、ナスは0.02%安で引けました。

・米国10年債券利回りは雇用統計発表で2.303%から2.318%まで上昇した後はジリジリとした上昇が続き、01:50のダドリー米ニューヨーク連銀総裁発言から上昇スピードを速めて05:00には2.384%まで上昇して2.382%でNYクローズとなりました。

 

結果
22:30 3月非農業部門雇用者数 予想:+18.0万人 結果:+9.8万人 (前回:+23.5万人 修正値:+21.9万人)
22:30 3月失業率 予想:4.7% 結果:4.5% (前回:4.7%)
22:30 3月平均時給 (前月比) 予想:+0.2% 結果:+0.2% (前回:+0.2% 修正値:+0.3%)

 

★雇用統計の明細は、米雇用統計詳細(2017年4月8日)の記事に載せています。
(下線部分をクリックすると、該当記事が別ウィンドウで開きます。)

 

 

ドル円(チャートは6:00時点)
・先週金曜日のドル円は欧州時間は110.50-75での小動きが続いて、21:30の雇用統計の時は110.65でした。
非農業部門雇用者数が予想+18.0万人に対して結果+9.8万人だったことで発表直後に110.65から110.08まで急落しました。
しかしすぐに反転して下落分を埋めてさらに上昇して22:10には110.97まで駆け上がりました。
そこからは押し戻されて110.60-80で上下していましたが、ダドリー米ニューヨーク連銀総裁の「政策の優先手段は金利でありバランスシートではない」「バランスシート縮小は利上げにわずかな中断しかもたらさない可能性」との発言で再投資政策見直しが利上げペースを遅らせる懸念が後退したとの解釈で01:50に110.75から111.16まで急伸し、更に上げが続いて03:00には111.36まで上昇しました。
その後は押し戻されて05:30には111.03まで下落して111.08でNYクローズとなりました。

左:ドル円-5分足 右:ドル円-1時間足
 

左:ドル円-日足

 

ユーロドル(チャートは6:00時点)
・欧州時間序盤はジリ下げとなり16:00の1.0646から21:00には1.0622まで下落して22:30は1.0629でした。
発表直後はドル売りで1.0662まで上昇しましたが、すぐに反転して21:55には1.0610まで下落しました。
そこからは1.0610-35で上下していましたが、01:50のダドリー米ニューヨーク連銀総裁発言からドル買いの流れとなったため下げ基調となり03:00には1.0580まで下落しました。
その後は反転して戻して05:15には1.0602まで上昇し、1.0591でNYクローズとなりました。

左:ユロドル-5分足 右:ユロドル-1時間足
 

左:ユロドル-日足

 

米国10年債権利回り(チャートは7:00時点)
 欧州時間序盤は2.300-2.330%で上下し、21:30は2.303%でした。
発表で2.303%から2.318%まで上昇した後はジリジリとした上昇が続き、01:50のダドリー米ニューヨーク連銀総裁発言から上昇スピードを速めて05:00には2.384%まで上昇し、2.382%でNYクローズとなりました。

左:米国10年債権利回り-15分足 右:米国10年債権利回り-日足
 

 

先週金曜日のNY株式市場
NY DOW  20,656.10(-6.85)
NASDAQ  5,877.81(-1.14)
・先週金曜日のNY株は雇用統計で非農業部門雇用者数の結果が+9.8万人となり予想+18.0万人を大幅に下回ったため朝方はプラスマイナスを繰り返していましたが、ダドリー米ニューヨーク連銀総裁の「政策の優先手段は金利でありバランスシートではない」「バランスシート縮小は利上げにわずかな中断しかもたらさない可能性」との発言で再投資政策見直しが利上げペースを遅らせる懸念が後退したとの解釈で利回りと共に買われて$60高まで上昇しました。
その後引けにかけてはシリアへのミサイル攻撃があったこともあり地政学的リスクへの警戒から押し戻されてダウは$6安、ナスは0.02%安で引けました。

左:DOW-日足 右:NASDAQ-日足