スティーブンスRBA総裁声明全文(2015年2月3日)

2015年2月3日

本日(10/30)12:30に発表されたスティーブンスRBA総裁声明の全文です。
(時事通信より転載)

 理事会は本日の会合で、キャッシュレート(政策金利)を0.25%引き下げ、2.25%にすることを決めた。4日実施する。
 世界経済の成長は緩やかなペースで進んでいる。中国の成長は全般的に政策立案者の方針に沿っている。米国経済は改善を続けているが、ユーロ圏と日本は予想より弱い。2015年の世界経済は穏やかな成長にとどまると予想している。
 商品相場は下落が続き、一部商品は急落した。特に石油は過去数カ月で大幅に下落した。需要の伸び鈍化と供給の大幅増が背景だろう。エネルギー価格の一段の下落は、世界経済の生産を強化し、消費者物価指数(CPI)を一時的に押し下げる効果がある。
 国際金融は極めて緩和的で、一部の主要国では過去数カ月間、長期貸出金利が過去最低水準に低下した。一部のリスクスプレッドが若干拡大したが、信用力がある借り手なら融資コストは著しく低い。
 オーストラリアでは、入手可能な情報から判断し、成長がトレンド(長期平均)を下回り続けている。国内需要は弱く、その結果、失業率が徐々に上昇してきた。RBAとしては、豪成長率は幾分長期間にわたり、トレンド割れが続くと予想している。失業率は以前の予想より幾分高い水準まで上昇するだろう。設備稼働率が低い状況が続く見通しだ。
 14年のCPI上昇率は過去数年来で最も低かった。14年末にかけて石油価格が急落したことや、温室効果ガス排出に課す炭素税の廃止が影響した。基調インフレ率も年率で2.5%水準に低下した。労働コストの伸びは抑制されている。為替相場が一段と下がった場合でも、インフレ率は向こう1、2年間、目標(2~3%)と一致して推移するだろう。
 14年は信用の伸びが穏やかだった。住宅市場の投資家向けの貸し出しは急増した。シドニーでは住宅価格の急激な上昇が続いている。ただ、過去数カ月では、都市によってばらつきが見られる。RBAは他の規制当局と協力し住宅市場から生じるリスクの精査や抑制に努める。
 豪ドルは過去数カ月、対米ドルで大きく下落した。ただ、通貨バスケットに対してはそれほどでない。主要商品の価格下落を考慮すると、豪ドル相場は引き続き、ファンダメンタルズと一般的に想定される水準を引き続き上回っている。為替水準の下落は、均衡ある経済成長の達成に不可欠となるだろう。
 過去1年半にわたり、金利を据え置いてきた。RBAは時間をかけて緩和効果を見極め、国内外の動向を監視してきた。本日の会合で、最近の情報や最新予測を考慮し、追加利下げが適切と判断した。今回の措置を受け、持続的な成長促進やインフレ率の目標内での維持に向け、需要喚起が下支えられるだろう。

 

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