FOMC声明全文(2015年12月17日)

2015年12月17日

本日早朝(12/17)に発表されたFOMC声明の全文です。(時事通信より転載)

 米連邦公開市場委員会(FOMC)が10月会合以降に入手した情報は、米経済成長が緩やかなペースで拡大していることを示している。家計支出と企業の設備投資はこの数カ月間に堅調に増加し、住宅部門はさらに改善した。しかし輸出は引き続き弱い。雇用増加と失業率減少を含む最近の労働市場に関する指標の幅は、市場がさらに改善し、労働市場の活用不足が年初来、かなり縮小したことを示している。
インフレは、エネルギー価格と非エネルギー部門の輸入物価の下落を一部反映し、FOMCの2%長期目標を下回り続けてきた。市場ベースのインフレ調整分の指標は低水準にとどまっている。いくつかの調査ベースの長期インフレ期待の指標は低下している。
 法令で定められた責務に則し、FOMCは雇用の最大化と物価安定の促進を目指している。FOMCは現時点で、金融政策の緩やかな調整により、経済は引き続き緩やかなペースで拡大し、労働市場に関する指標は引き続き強固になると予測している。全体として、国内と国外の状況を考慮し、FOMCは国内外経済と労働市場の見通しに対するリスクが均衡していると考える。インフレは、エネルギー価格や輸入物価の下落による一時的な影響がなくなり、労働市場がさらに強固になれば、インフレは中期的に2%に向けて上昇すると予測する。FOMCは引き続きインフレの動向を監視する。
 FOMCは、労働市場は今年大幅に改善し、インフレは中期的に2%目標に向けて上昇する合理的確信があると判断した。現在の経済情勢から、今後の経済活動に影響する政策を取る時期と判断し、FOMCはフェデラルファンド(FF)金利誘導目標水準を0.25~0.5%に引き上げることを決定した。この引き上げ後も金融政策の姿勢は引き続き緩和的であり、これによって労働市場環境のさらなる改善とインフレの2%回帰を支える。  FF金利誘導目標水準の今後の調整に関する時期と規模を判断するに当たって、FOMCは、雇用最大化と2%物価目標に関する経済情勢を、実績と見通しから評価していく。この評価は、労働市場環境に関する指標、インフレ圧力やインフレ期待の指標、金融、国際的な情勢の解釈を含む幅広い情報を考慮する。最近のインフレ率が2%を下回っていることから、FOMCはインフレ目標に向けた現状の進展と見通しを慎重に監視する。経済情勢の改善は緩やかであり、利上げは緩やかに行うことが妥当と予測する。FF金利誘導目標水準は一定の間、現状にとどまり、予測されている水準を長い間、下回るだろう。しかし、実際のFF金利誘導目標水準の先行きはデータが示す経済見通しに依拠する。
 FOMCはエージェンシー債やMBSの償還資金をMBSに再投資する既存の政策を維持し、償還を迎える米国債を入札方式で再投資する政策を、FF金利誘導目標水準の正常化が十分に進むまで維持する。この相当額の長期証券保有を継続する政策は、金融市場の緩和状態の維持を支えるはずだ。
 FOMCの金融政策に賛成票を投じたのは、イエレンFOMC委員長(FRB議長)、ニューヨーク連銀のダドリー総裁、ブレイナードFRB理事、シカゴ連銀のエバンズ総裁、フィッシャーFRB副議長、リッチモンド連銀のラッカー総裁、アトランタ連銀のロックハート総裁、パウエルFRB理事、タルーロFRB理事、サンフランシスコ連銀のウィリアムズ総裁。

 

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