FOMC声明全文(2014年12月18日)

2014年12月18日

本日早朝(12/18)発表されたFOMC声明の全文です。(時事通信より転載)

  米連邦公開市場委員会(FOMC)が10月会合以降に入手した情報は、米経済活動が緩やかなペースで拡大していることを示している。労働市場の環境は、さらに改善した。雇用が確実に増え、失業率は低下した。全てを考慮すると、労働市場に関する広範な指標は、労働力の活用不足が徐々に縮小していることを示している。家計支出は緩やかに拡大しており、企業の設備投資も増加したが、住宅部門の回復は依然遅い。インフレはエネルギー価格の下落も影響し、FOMCの長期的目標を下回り続けている。市場ベースのインフレ調整分の指標は幾分低下し、調査ベースの長期インフレ期待の指標は引き続き安定している。
 法令で定められた責務に則し、FOMCは雇用の最大化と物価安定の促進を目指している。FOMCは適切な緩和策によって、労働市場環境は、法令上の責務に整合的と判断する水準に向かい、経済は緩やかなペースで拡大すると予想している。FOMCの経済と労働市場の見通しに関するリスクは、ほぼ均衡している。FOMCは労働市場がさらに改善し、エネルギー価格下落による一時的な影響やその他の要因がなくなれば、インフレは2%に向けて徐々に上昇すると予測する。FOMCは引き続きインフレの動向を注視する。
 雇用最大化と物価安定の継続的な進展を支えるため、FOMCは本日、現在のゼロから0.25%というフェデラルファンド(FF)金利誘導目標水準が引き続き適切であるとの見方を再確認した。この金利誘導目標水準をいつまで維持するかの判断に当たっては、FOMCは雇用最大化と2%インフレの目標の進展度合いを、実績と見通しの両面から評価していく。この評価に基づき、FOMCは金融政策の運営姿勢の正常化開始に忍耐強く対応できると判断する。FOMCは、この(フォワード)ガイダンスが、10月に資産購入を完了した後も、特にインフレがFOMCの長期目標の2%を下回ることが予想され、長期のインフレ期待が安定的ならば、ゼロから0.25%のFF金利誘導水準を相当の間、維持することが適切だろうとした前回の声明と矛盾しないとみている。しかし、FOMCの現在の予想よりも、雇用と物価目標に向けた改善が速く進展すれば、FF金利誘導目標水準の引き上げは現在の予想よりも早期になり得る。逆に改善が予想よりも遅い場合、金利引き上げは現在の予想よりも遅くなり得る。
 FOMCはエージェンシー債やMBSの償還資金をMBSに再投資する既存の政策を維持し、償還を迎える米国債を入札方式で再投資する政策を維持する。この相当額の長期証券保有を継続する政策は、金融市場の緩和状態の維持を支えるはずだ。
 FOMCが金融緩和政策の変更開始を決断する場合、雇用最大化と2%インフレの長期目標と整合するバランスの取れた方策を取る。FOMCは現在、雇用とインフレがFRBの責務と一致した水準に近づいた後も、経済状況は当面、FF金利誘導水準をFOMCが長期的に正常と考える水準よりも低く維持することを正当化すると考える。
 FOMCの金融政策に賛成票を投じたのは、イエレンFOMC委員長(FRB議長)、ニューヨーク連銀のダドリー総裁、ブレイナード理事、フィッシャー副議長、クリーブランド連銀のメスター総裁、パウエルFRB理事、タルーロFRB理事。
 反対票を投じたのはダラス連銀のフィッシャー総裁、FOMCは金融政策の正常化開始に忍耐強くあるべきだが、10月以降の米経済の改善は、FOMCの大半の予想よりもFF金利の引き上げが適切となる時期を前倒ししたと主張した。ミネアポリス連銀のコチャラコタ総裁は、FOMCの決定は、低インフレが続き、長期インフレ期待の市場ベースの指標も落ち込む中、2%インフレ目標の信頼性に過度の下振れリスクを生み出すと確信している。フィラデルフィア連銀のプロッサー総裁は、声明では、時間の経過の重要性をフォワードガイダンスの主要な要素として力説すべきではないと主張。また、経済状況の改善から、現在のフォワードガイダンスが前回の声明と矛盾しないと強調すべきではないとの考えを示した。

 

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