米雇用統計発表後のドルの動き(2025年4月5日)

 

 

2025年4月5日

 3月雇用統計は非農業部門雇用者数が予想の13.5万人増を上回る22.8万人増、失業率は予想の4.1%から悪化した4.2%、平均時給は前月比が予想と一致の0.3%、前年同月比は予想を下回る3.8%でした。
 中国がトランプ政権の相互関税に対抗する報復措置を発表したことで貿易摩擦の深刻化懸念が高まったことやパウエルFRB議長が「トランプ米政権の関税政策が経済に与える影響は予想を上回る可能性が高い」「高インフレと経済成長率の鈍化にリスクが高まっている」「適切な方向性について結論を出すには時期尚早」「急ぐ必要はないと感じている。時間はある」と述べて利下げを急がない姿勢を示したことでNY株は大きく売られ、ドルはパウエルFRB議長発言後から買われました。

・ドル円は雇用統計発表直後に145.01-62で振った後、しばらく145.00-90で上下していましたが、パウエルFRB議長が「トランプ米政権の関税政策が経済に与える影響は予想を上回る可能性が高い」「高インフレと経済成長率の鈍化にリスクが高まっている」「適切な方向性について結論を出すには時期尚早」「急ぐ必要はないと感じている。時間はある」と述べて利下げを急がない姿勢を示したことでドル買いの流れとなって03:00には147.43まで上昇し、146.89でNYクローズとなりました。

・ユーロドルは雇用統計発表直後に1.1033-88で振った後、パウエルFRB議長が関税によるインフレの可能性を警告して利下げを急がない姿勢を示したためドル買いの流れとなり02:10には1.0924まで下落し、1.0962でNYクローズとなりました。

・米国10年債権利回りはトランプ米大統領による「相互関税」の発表から始まった世界同時株安への回避から安全資産とされる米国債への買いが強まって利回りは低下し、3.998%でNYクローズとなりました。

・NY株は3月雇用統計の結果は良好でしたが、中国がトランプ政権の相互関税に対抗する報復措置を発表したことで貿易摩擦の深刻化懸念が高まり、またパウエルFRB議長が関税によるインフレの可能性を警告し、利下げを急がない姿勢を示したため売りが強まり、ダウは$2,231の大幅安、ナスも5.82%もの大幅下落で引けました。

結果
21:30 3月非農業部門雇用者数 予想:+13.5万人 結果:+22.8万人 (前回:+15.1万人 修正値:+11.7万人)
21:30 3月失業率 予想:4.1% 結果:4.2% (前回:4.1%)
21:30 3月平均時給 (前月比) 予想:+0.3% 結果:+0.3% (前回:+0.3% 修正値:+0.2%)
21:30 3月平均時給 (前年同月比) 予想:+3.9% 結果:+3.8% (前回:+4.0%)

 

 

ドル円(チャートは6:00時点)
・欧州時間序盤は中国がトランプ政権の相互関税に対抗する報復措置を発表したことで貿易摩擦の深刻化懸念が高まったことで円が買われて18:30の146.55から20:10には144.54まで下落し、21:30の雇用統計の時は145.09でした。
発表直後に145.01-62で振った後、しばらく145.00-90で上下していましたが、パウエルFRB議長が「トランプ米政権の関税政策が経済に与える影響は予想を上回る可能性が高い」「高インフレと経済成長率の鈍化にリスクが高まっている」「適切な方向性について結論を出すには時期尚早」「急ぐ必要はないと感じている。時間はある」と述べて利下げを急がない姿勢を示したことでドル買いの流れとなって03:00には147.43まで上昇し、146.89でNYクローズとなりました。

左:ドル円-5分足 右:ドル円-1時間足
 

左:ドル円-日足

 

 

ユーロドル(チャートは6:00時点)
・欧州時間序盤は19:00に1.0964まで下落した後は上げ出して21:20には1.1088まで上昇し、21:30は1.1078でした。
発表直後に1.1033-88で振った後、パウエルFRB議長が関税によるインフレの可能性を警告して利下げを急がない姿勢を示したためドル買いの流れとなり02:10には1.0924まで下落し、1.0962でNYクローズとなりました。

左:ユロドル-5分足 右:ユロドル-1時間足
 

左:ユロドル-日足

 

 

米国10年債権利回り(チャートは6:00時点)
・トランプ米大統領による「相互関税」の発表から始まった世界同時株安への回避から安全資産とされる米国債への買いが強まって利回りは低下し、3.998%でNYクローズとなりました。

左:米国10年債権利回り-15分足 右:米国10年債権利回り-日足
 

 

 

昨日のNY株式市場
NY DOW   38,314.86(-2,231.07)▼5.50%
NASDAQ   15,587.79(-962.82)▼5.82%
・昨日のNY株は3月雇用統計の結果は良好でしたが、中国がトランプ政権の相互関税に対抗する報復措置を発表したことで貿易摩擦の深刻化懸念が高まり、またパウエルFRB議長が関税によるインフレの可能性を警告し、利下げを急がない姿勢を示したため売りが強まり、ダウは$2,231の大幅安、ナスも5.82%もの大幅下落で引けました。

左:DOW-日足 右:NASDAQ-日足
 

 

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